フランスの保育園②
夏に保育園を下見に行った時、却下されたという話は保育園①に書きましたが今回はいよいよ、娘の保育園デビューについて。
いきさつ
夏休み後の9月は生活のリズムを整えながら過ぎていき
「本当に保育園に入れる必要あるかなあ?」
とまだ少し葛藤する時があったりしていました(往生際の悪い母)。
しかし、この状況を変えなければ何も始まらない!と決心。
何よりもママンである私が不調で、これでは娘に良くない!保育園で楽しく自分の世界を築くべきだと思ったのもあります。
どんな保育園?
フランスではcrècheと呼ばれる託児所/保育園が一般的です。
(色々な種類・定義があることが最近分かりました)
今回私たちが出会った保育園は MULTI ACCUEIL COLLECTIF という、
食事なしの午前・午後の部に分かれている保育園です。
働いている親・そうでない親どちらでも受け入れており、市がまかなっています。
親の収入状況により一時間あたりの保育料が決められます。
曜日と時間が決められた契約制 または 週ごとに曜日と時間を選択できる選択制 のどちらかが選べ、
私たちは選択制にしました。
また、働いていない家庭の場合お迎えの時間が1時間早めに設定されております。
(保育園自体は17時半までやっているのですが、私は16時半のお迎えです)
保育園の面談
9月の終わり。保育園への提出書類を揃え、面談へ行ってきました。
提出書類は
- 家族手帳
- 納税証明書
- ワクチン証明書
- かかりつけの医師からの承諾書(発熱時〇〇の薬を与えても良いかなど)
- 住居証明書
などでした。
園長先生とご対面。
40歳ぐらいの優しい雰囲気のマダムで、夫も私もすぐ信頼しました。
一通り園内を見せてもらいました。
清潔で明るく広々として、職員さんもこどもの人数に対して余裕があったのもよかったです。
これから慣らし保育をどう進めていくかも話してくださいました。
時間をたっぷりかけて子どもに無理をさせない方針で、とっても安心しました。
園長先生がこどもの心理をよく理解していらっしゃる方だとわかりました。
そして私たちは契約制ではなく選択制を選んだため、現在の空き時間状況により
娘は午後のみ預けることになりました。
(時間としては13時30分〜16時30分の間を選択できるわけです)
慣らし保育スタート
10月5日 (月) 朝10時
この日は夫も私も娘と一緒に30分園内で過ごすということからスタート。
親のそばで、園内の人や物に親しみを覚えることが目的です。
20人ぐらいのこどもたちがいて、夫や私のところにやって来て一緒に遊ぼうと促します。
娘は意外にしっかりしているように見えました。椅子に座ろうとしてみたり、本やおもちゃを手に取っていました。
朝は職員の方々も少しバタバタしている様子です。明日からは15時に来るように言われました。そして私もそれがいいと思いました。
10月6日 (火) 15時
今日からはママだけが付き添いです。また30分過ごしました。
昨日よりぐんと少ないこどもの数。ほとんどの子達はお昼寝中だからでした。
寝ない子がちらほらいて、職員さんが3人部屋にいます。
まったりした感じです。
娘は一人の子と椅子の取り合いをしました。
ある子が私に本を読んでと持って来たら、娘は「私のママなのよ」というような顔をしました。
娘にとっては他者との関わりができて、なかなかいい経験になりそう。
一人、娘とそう違わない年齢の女の子もママと離れる練習中のようで、
部屋に入った時からママが迎えに来るまでずーっと泣いていました。
職員さんの膝に抱っこされて、エンエン泣いていました。
10月7日 (水) 15時
今日も30分。
今日は娘についての質問(アレルギーや生活パターン、嗜好など)に受け答えしました。
その間お昼寝から起きてきた子を見ました。
娘はお昼寝はここでさせたくないなあとなんとなく感じました。
決して寝室がどうとか保育園のせいではなく。娘はお昼寝も寝付くまでは一応添い寝するので、一人では寝付かないだろうなあと思ったのです。
天気が良くお外へ。三輪車とすべり台があって、娘は早速三輪車をトライ。少し大きくて足が届かないのですが、ずっと座って黙って周囲を観察していました。
ある男の子が三輪車を上手に乗りこなしているのはいいのですが人にボーンとぶつけていておっとっと と思いました。
昨日の泣き続けている女の子も、今日もやっぱりずっと泣いていました。
お外に出たら一瞬泣き止む時間がありました。
外は気持ち良くていいですね。
最初は泣くものだと聞いていたけれど、ずーっと泣き続けるのを見るのはやはり心が痛いです。
そして明日はいよいよ娘の番。20分間一人にするという日。
ドキドキです。
10月8日 (木)
眠れない夜を過ごしました(ママが)。
というのはウソですが、ほぼそんな感じでした。
結局午後のみしか預けられないのだから、娘を泣かせて不安にさせてでも慣らさせる価値があるだろうか?
来年は幼稚園が始まるのだから、それまで家にいてもいいのではないか?
そもそも社会性を習わせるというのは幼稚園が始まる頃でいいのではないか。誰が早い方がいいと決めたのか?
などなど考えました。
頭ではわかっていたつもりでしたが、大泣きの女の子に影響されまくりです。
夫にも私の気持ちを伝え、今この時点で保育園に慣らす必要はないのではと後ずさりすることに。
園長先生に電話しました。
園長先生はしきりに引き止めて、やってみましょうよと励ましてくださったのですが、お断りしたのでした。
それと同時に、PMI(Protection Maternelle Et Infantile )という公共のセンターを調べてみたら木曜日の午前中、自由に出入りでき・こどもたちが大人同伴で遊べる ということだったので、行ってみることにしました。
そこでは、あまり広くない部屋にたくさんのこども・大人がいました。
生後3ヶ月ぐらいの赤ちゃん〜3歳近くの子まで年齢が幅広く、ある意味こちらが願うような交流はない感じです。
保育園のように設備も整然とされてルールが決まっている環境とは全く違うことがわかりました。
ここに遊びに来る必要もないかなあというのが印象でした。
どっちにせよ、娘はまだ他の子と一緒に遊べる年齢ではないのです。他者を自覚しつつありますが、共同作業などができるようになるのは3歳頃だそうです。
うーむ。やっぱり保育園試してみるべきだったかなあと思いながらセンターを後にしたら、なんと保育園の園長先生と遭遇!!
「今朝はすみませんでした。親の私が準備できてなかったみたいで、こんな決断してしまいました。今PMIに行ってみたんですけど、やっぱり違うなあと思いました」
と正直な気持ちを伝えました。
すると、園長先生は
「私もそうだと思っていたのよ。面接の時あなたを見て、ママがまだ準備ができてないってすぐわかった。私と話しましょうよ。よければ今日の15時、当初の予定通り保育園にいらして娘さんを遊ばせている間私と少し話しましょうか」
と言ってくれたのです。
そして15時。
娘を連れて行き、入口で職員さんに引き渡し園長先生と二階に上がりました。
娘は職員さんの腕に手渡された瞬間大泣きしました。
それでも二階に上がり、園長先生と懇談。
正直に話しました。私自身が怖くて不安だったと。
そして
娘が14ヶ月まで母乳で育てられたこと
両親と寝ていること(これにはビックリされました)
家庭でどの言語を使っているかなど
を話しました。
お昼寝も、みんなと寝るのが困難なら起きたままでいいしその子のペースに合わせるから心配しなくていいと言われました。
そして、園長先生も、ご自身のお子様が幼稚園に入った日は泣いてしまったのだと教えてくださりました。
母親みんなが通っている道なんだと改めて知りました。
そして、そんな園長先生のいらっしゃるこの保育園にお願いしようと決めたのです。
そんな話をしているうちに、10分ぐらいで娘は泣きやんだのです。
ずっと泣きっぱなしじゃなかった。
二階にいながらも娘をとても頼もしく思い、感動しました。
ありがとう。
今回も私たちを前に進ませてくれたのは娘でした。
その後
この日以降、30分、45分、1時間、2時間 と
預ける時間を徐々に増やしていき、10日ほどで3時間預けられるようになりました。
今では週に3日 曜日を選択して通っています。
週末を挟むと泣いてしまったりもしますが、最初だけでその後は元気に遊んでいるようです。
職員さんは皆本当に働き者で優しくて、私は尊敬とともに親しみを持つようになりました。
これからまたクリスマス休暇で3週間ほど休みます。
新年はきっとまた少しペースをつかむのが大変だとは思いますが、どうにかなるだろうと心配はしていません。
みなさまも よいクリスマスをお過ごしください。
来年もママンジャーナルをよろしくお願いいたします。