フランスでのくらし 〜Bioを食べ、使う〜

Bioの野菜(有機野菜)はフランスで生活するうちにとても身近な存在になりました。
Bioは消費する側の視点だけでなく、大地を守るためという動機も大きく、もはやライフスタイルと言えるほど。

うちのご近所さんも、生ゴミはコンポストで廃棄物を少なくしていたり、意識の高い人が多い。残念ながらわが家はコンポストをまだ実現していないので早く取り入れたいです。

Bioとエコについて書きたいテーマはたくさんなのですが、まず今回は個人的に思うBioについて。

Bioの食材

フランスではスーパーでも必ずBioコーナーがあるので、食べ物から生活用品まで全てBioにしようと思えば何でも手に入ります。

スーパーのBio製品は割安なのですが、産地が必ずしもフランスではなかったり、EUの規定なので個人的に信頼度があやしい商品もあります。便利なのでスーパーのBioも臨機応変に利用しています。

どこでBioの買い物をする?

Biocoopで買い物をしています。

食材から掃除用洗剤、コスメティック、ペット用品など100% Bio専用のお店です。
やはり値段はスーパーのBio商品に比べると割高。最初は近寄りがたかったのですが、結局最終的コストはそこまで差がないのではと思っています。スーパーに行くと色々他のものも買ってしまうし、Bio専用のお店での買い物をやめたとしても大した節約にはならないことが分かったからです。

Biocoopでは家から容器や袋を持って来て買い物できるのが良いです。紙袋やビニール袋を一切消費しないのです。
量り売りには米はじめ穀物類、ドライフルーツやナッツ、ビスケット、チョコレートまであります。

わが家が食材以外でBioを徹底しているのは、子供達の歯みがき粉と食器洗い・洗濯洗剤。

Biocoopは大体新鮮な野菜果物が手に入りますが、時々微妙な品揃えなので、残念。そういう時はやっぱりマルシェが一番いいなと思います。
隣街にもBioの生産者がたくさんいるマルシェがあるのですが、すごく混むので駐車場所を探すのが面倒で、あまり行きません。子供達が大きくなったら1人で身軽に行けるようになるかな。

私の考えるBio

家族の健康のためにできるだけBioと思っていますが、絶対全部Bioでなくてはならないとまでは思っていません。
Bio以外の物は悪と決めつけ、極端な考えになりたくないからです。
そしてBioなら何でもいいと盲目になるのも自己中心的に感じます。例えばスーパーで売っているBioは産地が地球の裏側だったりします。それだけ遠い国からの輸入にかかる石油やCO2のエネルギーについても考えなければいけない。
自分はBioを食べているけどそれに関わるコストや犠牲は考えないというのはBioの精神ではないと思います。
Bioだけが良く他の物は悪と決めつけてしまったら生きにくいとも思うからです。
何でもバランス良く食べ、できれば季節の物で、偏らないことが大事だと思っています。そして基本はBio、という考えです。

以前フランスの農業について書いた時、農薬が最も使われている野菜と果物を知りました。それ以降はそれらの野菜と果物は徹底してBioの物を買うようにしています。

我が家ではジャンクフードもたまには食べるし、ジュースもBioではないけどエコロジカルな素敵なブランドを見つけたのでBioのジュースと交互に買っています。楽しいから。
ちなみにこのジュースは添加物0、加糖なし、本当に果物のみで作ったというジュース。しかも果物は輸入したものではなくほぼフランス産を使っている。リサイクルでできたプラスチックを使ったりもっと地球に優しい方法はないか模索しているブランド。こういう製品を買うことで私達自身も意思表示をしていると思います。

Innocentというエコロジカルなブランド。

子供達のおやつも砂糖0とかグルテンフリーとか全然考えていないけれど、なんでもいいわけではない。例えば菓子類に使われている卵の産地や鳥の飼育形態を必ず確かめて買ったりしています。(plein airと書いてあるものは鳥が自由に外で走り回れる飼育環境)
そしてやっぱり手作りまたはBioのお菓子にしています。

割安で売っている卵や鳥肉については、何年か前、イギリスの有名なシェフJamie Oliver極悪飼育環境について告発していました。生まれてから屠殺されるまで一回も羽を広げたことのない鳥たち。狭い場所にいかに多くの鳥を収められるか、鳥たちはフンや病気にまみれ一度も外に出たことさえない。ここまでとはショッキングでした。スーパーで売っている子供用マドレーヌなどのお菓子に使われている卵にも背景があるのです。

値段は少しだけ高くても(本当に少しだけです)きちんとした生産者が真っ当な対価を支払われているか、このことに貢献するのは大きな意味があります。
Bioだけでなくこういうことにも注意していきたい時代です。

わが家のBioの経緯

日本に住んでいた頃は、近所のスーパーで有機野菜もめったに見かけなかったし、高いイメージがあってBioを生活に取り入れることを考えてもいませんでした。もちろん無農薬野菜の方が体にいいに決まっているのは分かっていましたが、安さや便利さが最重要でした。

Bio

フランスに住み始めてすぐの時、南仏の義母の所で1ヶ月お世話になり、彼女のBioに対する姿勢などを見て影響を受けました。
彼女は、野菜は土だらけじゃなきゃ。と言って、土を買っている?!というほど泥土のついた野菜を買っていました。その時、Bioだからって何でも許されるみたいで雑なもんだなと思ったものです。後からそういう生産者だけじゃない、むしろBioの生産者ほど野菜を丁寧に扱うことがわかりました。
義母は洗剤も地球に優しいのを使っていましたが、時々地球にすごく悪そうな液体を使って銀製品を磨いていたり、シンクに食事のゴミを全部流してしまう所とか、なんだか結局の所、自分さえ良ければいいというような所も無きにしもあらずだなと感じました。

長女を妊娠中は家のすぐ近くにBioのお店があってそこで買い物をしていました。が、ここでは入荷日が週一回ぐらいで野菜や果物の新鮮さが欠けており、だんだんBioでなくても採りたての新鮮な野菜や果物の方が体にいいんじゃないか?という気持ちが生まれて来ました。
長女が生まれて引っ越し、マルシェが近くなったのでそこの八百屋で新鮮な野菜果物を買うようになり、少しBioから離れました。なので長女の離乳食の時はBio100パーセントとは言えなかったわけです。

その後南仏に引っ越して、新鮮な果物と野菜の多さにびっくり。マルシェによく行っていました。しかし、南仏はスペイン産の野菜果物も多く、スペイン産は農薬が凄まじいから避けるべきというルールを徹底(Bioにこだわらない義父さえもスペイン産は避けると言っていたほど)。
BioMondeといういいお店に出会えたのでそこで買い物していました。産地もほぼ南仏の近くで地産地消が叶い、何より新鮮なBioの野菜果物は最高でした。

ブルターニュに来てからは野菜果物は必ずBioにしています。次女の離乳食は100パーセントBioで作りました。

Bioに完全に移行するまでこのように何年もかかりました。見せかけではなく、この何年かで着々と情報を得てきました。無理のない納得いく方法でたどり着けたのでよかったと思っています。

夫は、「わずかにできる貢献と意思表示のためにも、これからも自分達はBioで行きたい」といつも言っています。贅沢はできないけれど、子供達にはBioで体に良い美味しい物を食べさせ、地球を守ろうという感覚を持った人間に育てていきたいです。

よりエコロジカルなライフスタイルを目指して

エコロジカルなライフスタイルとは?
実はエコロジカルとミニマリストはすごく結び付いています。
私も、どんどんミニマルにできたらなと思っているところ。例えば、洗濯洗剤やその他洗剤は手作りにするとか、重曹や酢で掃除するとか、あまり物を買わない、などなど。まだ私は行けていない境地ですが、興味があります。またレポートします。

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